広島の新戦力の実力が次第に明らかになってきた。沖縄キャンプに参加している3人の新外国人や新人投手、移籍組の仕上がりはおおむね順調。10日からの第3クールを前に、首脳陣の期待は高まる。 中軸が期待されるトレーシーは巧みなバットさばきで評価を上げている。上野、斉藤を相手にしたフリー打撃でもセンター中心にヒット性の打球が目立った。キャンプを訪れた評論家も柔らかい打撃は日本向きとの見方をする。本人も「日本だろうが、アメリカだろうが、投手が投げる球を打つのに変わりはない」と自信をみせる。 バリントンはコーナーに投げ分ける制球の良さが目につく。スライダーやチェンジアップも低めに集まり、失投は少ない。外国人投手は5人。先発組は1人か2人とみられ、野村監督は「首脳陣の悩みどころになる」。 8日のフリー打撃で好投したサファテとともに、豊田も救援候補だ。西武、巨人で通算157セーブと実績は十分。「打者相手に投げるというより、体をつくる段階」としながらも、仕上がりの良さがうかがえる。ブルペンでは切れのある直球を投げ込んでいる。 左脚の違和感から別メニュー調整が続く福井を除き、新人4投手も精力的にブルペン入りしている。とりわけドラフト3位の岩見が注目を集める。テークバックが小さい変則フォームに「実戦向き」との声が上がる。第3クールでは打者との対戦も予定されている。(友岡真彦) |