Q.シーズンに向けて他球団の戦力分析はどのようにしているのですか

 A.4スコアラーが奔走 キャンプから情報収集開始

 チームが宮崎県日南市で2次キャンプをスタートしたころ、スコアラーのキャンプ地巡りが本格化する。各球団の調整ペースが上がる時期を狙い、ペナントレースに向けた情報収集と戦力チェックに駆け回る。

 畝龍実スコアラーは14日、ヤクルトがキャンプを張る沖縄県浦添市へ。ブルペン横に立ち、館山や村中、3年目の日高の投球を追った。「まずは球種の確認。新外国人の打力と守備力、内外野の守備隊形も重要なポイントになる」

 ■配球など分析

 打撃練習やシートノックと、球場内をくまなく回る。野手の塁間走と投手のクイックモーションの時間を計るストップウオッチ、情報を入力するパソコン、そして「観察眼」が必需品という。

 広島のスコアラーは19年目の畝、17年目の奥昌男、7年目の吉年滝徳、新任の田中彰の計4人。シーズン中は先発投手の予想や配球の分析が主な役割で、そのデータを集めるため他球団のキャンプ地を巡る。既にA4用紙11枚分が集まり、年間では40枚以上の情報量になる。

 ヤクルトでは昨季11勝を挙げ、新たにチェンジアップを投げていた村中を要警戒選手とした。「低めに制球され、試合でも十分に使える」とつぶやいた。チームが昨季1勝4敗と苦手にした由規の成長も感じ取った。

 ■「先乗り」増員

 近年、スコアラーを中心にした情報戦は勝敗に影響している。試合の打順は、投手の相性や先発投手の左右で大幅に組み替えられるケースもある。そのため球団は、対戦球団を事前にマークする「先乗り担当」を今季から1人増やして3人に。故障者などを細かく集める態勢を敷いた。

 畝スコアラーには苦い思い出がある。昨年5月のオリックス戦(京セラドーム大阪)。先発投手は「左腕の山本」と野村監督に報告した。打順は右打者が7人並んだが、先発は右腕の近藤。打線は沈黙し、2―11で大敗した。「うちは打順が確定していないから、先発投手の読み違いは一番泡を食う」と自戒を込める。

 長年の経験とキャンプで集めた情報は、投手の配球や癖を見抜く「目」にもなる。情報を伝えた打者が狙い打ちした時は「スコアラー冥利(みょうり)に尽きる」という。しかし、持ち合わせる情報が全ては生かされないのもスコアラー稼業。打席での感覚を大事にする打者は、こうした攻略法を嫌い、情報を受け付けない。

 ヤクルトを視察した畝スコアラーは、16日から中日キャンプを訪れた。昨年8勝16敗で、今季の開幕3連戦の相手。「一番見ておきたかった」。チェンや吉見の主力投手が故障している状況や、落合監督の采配も推測した上で、2年目の左腕岡田が先発となる可能性を嗅ぎ取った。

 4人のスコアラーは今月下旬まで他球団のキャンプを視察し、3月中旬に情報を報告。新戦力の分析や新たなサインプレーなど、目で集めたデータも加えて2011年のシーズンに入る。(友岡真彦)


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Last-modified: 2011-02-19 (土) 23:26:33 (3011d)