オープン戦 広島2―4ソフトバンク (2月27日 ヤフーD)

 4番のパワーがさく裂した。広島の新外国人選手、チャッド・トレーシー内野手(30=マーリンズ)が27日のオープン戦・ソフトバンク戦(ヤフド)で来日1号を記録。杉内の直球を右翼スタンドへと叩き込んだ。栗原を3番に置く、新打線を試している野村謙二郎監督(44)にとっても、4番筆頭候補の一発はこの上ない朗報となった。

 乾いた打球音を残し、白球は右翼スタンドへとはじけ飛んだ。新赤ヘル打線の4番筆頭候補が、日本を代表する左腕・杉内の139キロ高め直球を完ぺきにとらえた。

 「シーズンの第1号ならいいけど、まだオープン戦の段階だからね。でも出ないよりは、出た方がいいかな。いい打撃ができて嬉しいよ」

 新外国人・トレーシーがメジャー79発の看板にたがわぬ、強烈なインパクトを残した。

 日本野球への「慣れ」が会心の一発の要因だった。これまで対外試合は計3試合に出場し、8打数2安打。長打はなく、安打も“とらえた”打球ではなかった。

 「日本の投手の特徴はどのカウントからも変化球でストライクが取れること。自分のアプローチとしては早い段階から打っていくことだ」

 戸惑いの中でも着実に学習を積み重ねた。この日の本塁打は杉内の初球外角スライダーを見逃した後の2球目。甘く入ってきた直球を一発でしとめたものだった。

 「あれを打たないと、次はいつ直球が来るか分からないからね…。笑ってくださいよ!」

 T砲はジョークを交えながら、上機嫌に来日1号を振り返った。

 惜別の一発だった。7年にわたって、主に2軍で通訳を務めてきた松長洋文通訳(32)が28日で退団する。トレーシーは前夜、博多市内のハードロックカフェで助っ人全選手が参加してのささやかな“送別会”に参加した。「本当にみんないい人ばかりで…。楽しい時間でした」と同通訳。来日から短い時間ではあったが、さまざまなサポートをしてくれた通訳に感謝の意も込めた。

 グラウンド裏の通路に上機嫌な声が弾んだ。

 「出たね、出たね。弾丸ライナーだよ。少しホッとしたよ、ホント」

 声の主は野村監督だ。栗原を3番に置く打線を試行中の指揮官に、4番筆頭候補の一発は何よりの朗報だった。「まだどうなるか。(栗原)健太にも、いい感じで積極性が出てきたし」。打線を固める段階ではない。だがT砲の一撃は、構想を後押しするものとなったことは間違いない。


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Last-modified: 2011-03-01 (火) 22:40:10 (3121d)