カープQ&A 広島のドラフト戦略 '10/10/23

 Q.広島はドラフトで目玉選手を避ける弱気な姿勢が目立ちます

 A.リスク回避し堅実路線

 「リスク回避」―。最近の広島のドラフト戦略の基本理念である。1993年に導入された逆指名とフリーエージェント(FA)制度に端を発し、球団首脳の志向やチーム事情が重なって定着した。これが低迷の中での弱腰なドラフト姿勢となり、さらなる低迷を生んでいないか。そんな疑問の声は少なくない。

 ■逆指名が転機

 ドラフトは65年に始まった。入札制度がなかった67~77年を除けば、92年まではほぼ毎年、ドラフトでは上位指名を抽選で争ってきた。実質17年間で1、2位の競合が16回。90年には史上最多タイの8球団による抽選にも参加している。一方、93年から2009年の17年間は上位指名の競合はわずかに5回。その落差は際立つ。

 分岐点は逆指名制度の導入だった。後に発覚した一部の球団による裏金問題が象徴するように、有望大学生や社会人選手の獲得は「資金力」に左右される時代に入った。独立採算の地方球団は厳しい局面に立たされた。

 影響は高校生の指名にも及ぶ。あるスカウトは言う。「逆指名制度があるから、『意中の球団以外に指名されたら進学か就職する』という選手が増えた」。強行指名を嫌う球団の方針もあって、競合の選択肢はかすんでいった。

 内部事情も大きい。果敢に競合に挑んだ70年代後半から90年代初頭は、チームの黄金期にぴたりと重なる。「選手層に厚みがあるから、少々の冒険もできた。今は難しい」。松田元オーナーは苦渋の表情を浮かべる。

 さらに、FA制度の導入で主力が次々と移籍。補強策としてドラフトの比重が高まる中で、より堅実さを重視する方針へと傾く。

 松田オーナーは「力が100の選手を狙って、抽選で外した場合のリスクが大きい。80の力でも(単独で)獲得の確率が高く、伸びしろがある選手を選びたい」と説明する。

 ■薄い主力世代

 弱気か、賢明か―。寺原(現横浜)への人気を横目に、大竹を獲得した01年、12球団で唯一、競合なしで前田健を1位指名した06年は成功例だろう。一方、93~00年に2位以上で指名した計16人のうち、今季1軍で働いたのは東出?広瀬?の3人だけ。本来なら主力となる世代の薄さは、長期低迷に大きな影を落としている。

 今年のドラフトは従来の戦略とは異なり、「来年の1軍枠に入れる即戦力投手」を最優先する。上位指名の決定を、長年続いたフロント主導ではなく、野村監督に委ねたのも異例だ。「ブラウン前監督時代は、首脳陣の意向は反映されなかった。野村監督への配慮であり、来季の巻き返しへの決意の表れだ」。球団関係者は指摘する。

 「リスク回避」と決別して挑む28日のドラフト会議。野村監督の決断とくじ運、そして来季のルーキーの活躍ぶりが、今後のドラフト戦略に与える影響は小さくない。(加納優)

    ◇

 13年連続のBクラス。低迷脱出の兆しが見えないカープに対し、さまざまな疑問の声が中国新聞社に届いている。そのいくつかをピックアップし、球団の内実や課題、再建への動きを探る。

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ベンチ担当に高コーチ 来季から作戦面助言 '10/10/23

 広島が来季から新たに配置するベンチ担当のコーチに、高信二内野守備・走塁コーチ(43)を起用することが22日、分かった。試合中の選手交代や作戦などの助言を通じ、野村謙二郎監督の采配(さいはい)をサポートする。

 今季は大野豊ヘッドコーチが監督の補佐役を務めたものの、投手陣の不振を受けて投手コーチ専任となる方針が内定。球団は「用兵や作戦面で野村監督を支える野手出身のコーチが必要」とし、ベンチ担当を置く方向で人選を進めていた。

 その結果、12年間広島のコーチを務め、選手の特徴や性格を把握する高コーチを適任と判断。現役時代から野村監督の野球観を熟知する点や、冷静な計算力、人柄なども考慮したという。

 高コーチは「監督をしっかりサポートしていきたい」と抱負を述べた。(加納優)

ChuGoku


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Last-modified: 2010-10-24 (日) 12:03:52 (3133d)