カープQ&A 契約更改 '10/12/12

 Q.契約更改の舞台裏はどうなっているのですか。

 A.プレーごとに詳細査定 「期待料」など交渉で幅も

 交渉開始の第一声はねぎらいの言葉だった。「1年間、お疲れさま」。8日、広島の球団事務所であった契約更改交渉。鈴木清明球団本部長と宮脇敏球団部長が、倉義和捕手に笑顔で語りかけた。机の上には、詳細なデータを記した分厚い資料が置かれていた。

 「出場した試合の防御率がチーム防御率より悪いね」「控え捕手は難しいが、高い意識で準備してくれた」…。3千万円だった提示額は、50分の交渉で100万円が上積みされた。倉は「球団から厚意をいただいた」と、神妙な表情で統一契約書に印鑑を押した。

 ■マエケン最高

 「選手間でも不公平を感じない査定になっている」。鈴木本部長は「カープ式査定」に自信をみせる。査定担当の鈴木本部長と宮脇部長が全144試合をチェック。安打や盗塁、三振などのプレーごとに1000以上の項目で、プラスとマイナスのポイントを重ねる。

 今季は「投手3冠」に輝いた前田健太投手がプラス約2500、マイナス約100で最高ポイントという。2006年に最優秀防御率を獲得し、1億円増の3億円で更改した黒田博樹投手(ドジャース)と同等の評価値となった。

 球団は査定したポイントを基に年俸を算出。三振率、四球率などのデータに加え、他球団の選手の年俸推移表も使って、金額を提示する。

 詳細な項目に対し、選手から質問が出ることもある。今冬は木村昇吾内野手が最初の提示額を保留した。「梵の盗塁王を援護するため、2ストライクまで振らない打席もある。評価はどうなっているか」という疑問があったためで、2度目の交渉で更改した。

 待球や右打ちに徹したチームプレー、けがなどは、数字に反映されにくく、交渉が難航することもある。鈴木本部長は「人と人との交渉事。機械的に金額を決めるのではなく幅を持たせる」と明かす。それが「期待料」となる。

 今季1勝の大竹は査定では2千万円以上の減俸だったが、復活を期待し、1500万円減の8千万円。47安打した石井が2700万円、17安打の前田が7千万円と両ベテランの差が大きいのは、過去の球団への貢献度に関係する。

 近年は破格のアップとなるケースも目立つ。フリーエージェント(FA)権を獲得した選手だ。08年オフの東出、今オフの石原は一気に1億円に到達。球団は流出を防ぐために、査定よりも上積みをして慰留した。

 ■増える総年俸

 一方で、チームの年俸バランスは崩れやすくなった。今季、広島の日本人選手総年俸は12球団最少の14億4690万円。13年連続Bクラスとなったが、来季は約2億円増え、7年ぶりに16億円を超す見込みだ。

 年俸の急増は球団経営を圧迫する。ロッテや楽天は今オフ、主力選手にポスティングシステム(入札制度)を使った海外移籍を認めた。広島はFA選手には残留を要請してきたが、「高額選手が増えると、引き留められないかもしれない」と鈴木本部長。球団が「勝負の年」と位置付ける11年。選手には「額面通り」の働きが求められる=金額は推定。(五反田康彦)

ChuGoku


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Last-modified: 2010-12-16 (木) 21:54:18 (3258d)