カープQ&A FA選手の調査 '11/1/1

 Q.昨年は補強戦略に変化が見られました。今後にどう生かしますか。

 A.投手の育成 期間を短縮

 昨年はフリーエージェント(FA)への初参戦を筆頭に、従来とは違う補強方針を打ち出した。その目玉だった黒田博樹投手(ドジャース)と当時横浜の内川聖一内野手(ソフトバンク)の獲得には失敗。「補強の選択肢は増えたが、結果的には例年とさほど変わらない」。鈴木清明球団本部長は振り返る。

 昨季で13年連続Bクラス。シーズンの戦いを通じ、投手力の整備と打線の中軸強化が大きな課題として浮き彫りになった。

 ■初参入で収穫

 新球場効果で収益力は上がったとはいえ、球界唯一の独立採算球団。黒田の復帰を目指すのは既定路線だったが、それ以外は事前に補強予算枠を決めず、「広島にとって価値のある選手かどうか」(松田元オーナー)を精査した。その過程で3番候補として浮上したのが内川だった。調査はタンパリング(不正交渉)の疑いをかけられないよう、慎重に進められた。

 「本当ですか。本気なんですね」。球団が昨年11月に交渉を申し入れた際、内川は驚きを隠さなかったという。1993年の制度創設以来、FAと距離を置いてきた広島。その転換は球界でも驚きをもって迎えられた。

 結果的に内川はソフトバンク入りを決断した。条件面やチーム成績、出身地などから厳しい現実を突きつけられた。川端順編成グループ長は「残念だが、交渉の過程でノウハウも得られた。FAに参戦した意味は大きい」と力を込める。

 ■入れ替え徹底

 積極的に選手の入れ替えを図った点も特筆すべきだろう。今オフは育成を含め、日本人10選手が退団。ドラフトで9人(育成2人を含む)を指名し、うち8人が投手という徹底ぶりだった。

 「野手は育成に時間がかかるが、投手は一定の期間を過ぎると飛躍的な成長は見込めない」と鈴木本部長。広島の特長でもある育成への「温情」が、甘さにつながっていなかったか。そんな反省から、今後も投手の育成サイクルを短縮する方針を固めた。

 昨季、七回以降に決勝点を奪われたのは27試合あり、特に救援陣を強化した。オリックスからトレードで菊地原毅、巨人を自由契約となった豊田清の両投手を獲得。野手の獲得は見送り、「投手偏重」の補強を終えた。

 FA権を取得した嶋重宣と石原慶幸両選手の慰留に成功し、戦力ダウンは免れた。ただ、先発陣と打線の中軸の強化は、若手・中堅の成長や新外国人の適応力という未知数の要素に託される。

 「実績がないだけで、潜在能力の高い選手はいる。もうひと皮むけてくれれば、状況も変わる」。川端編成グループ長は昨季終了後、他球団からトレードの申し入れが相次いだことを明かし、若手や中堅のブレークに期待をかける。

 今オフの変化を契機に、球団内でもFA取得選手の調査をより早期に、かつ詳細に実施するプランが検討され始めた。勝利に結び付くチームづくりと補強戦略の確立へ。踏み出した一歩を生かすための努力が、今後も欠かせない。(加納優)

ChuGoku


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Last-modified: 2011-01-01 (土) 23:12:34 (3185d)